住宅情報・ニュース
2005年08月21日
旧金子家住宅を復元
秋田の文化財の旧金子家住宅を復元
秋田市大町1丁目の市民俗芸能伝承館の隣接地に、江戸後期から昭和にかけての大店(おおだな)、旧金子家住宅(市指定文化財)が市によって改築・復元された。
このほど資料館としての公開が始まり、市教育委員会は「市中心部でかつての商家が公開されるのは初めて。間口の広い店舗や重厚な造りの土蔵など、往事の営みを伝える貴重な建物だ」としている。
旧金子家住宅は、いずれも2階建ての店舗兼住宅の母屋1棟と土蔵1棟からなり、延べ床面積は約300平方メートル。2棟は幕末の1850年代に建てられたとみられ、うち母屋は明治中期に火災で焼失し翌年、再建された。同家は1975年まで商売を営み、5代目の不動産業金子栄一さん(69)が96年に市に寄贈した。
当時の一般的な商家の造りは、間口が4間(7.2メートル)とされるが、旧金子家住宅は2倍の8間。奥行きも店舗の入り口から土蔵までが50メートル以上ある。店舗や座敷、台所など計12室、吹き抜けの土間を配した母屋の造りからは、秋田藩の御用商人に次ぐクラスの風格がうかがえるという。
また、火災に備え、母屋の屋根に水を入れた天水甕(てんすいがめ)が2基置かれているのが特徴。店舗入り口には、外に張り出す形で屋根付きの幅2メートルほどの土間があり、市教委は「隣の商家につながるアーケードのような通路だったのではないか」とみている。
旧金子家住宅の見学コースは市民俗芸能伝承館とセットで、入場料は2施設合わせて高校生以上100円(中学生以下は無料)。21日までは無料で住宅のみの見学ができる。
» 河北新報社
posted by iezukuri : 2005年08月21日 12:40 | trackback (0)
Previous « 谷口吉生建築作品ツアー | シックハウス予防研究 » Next