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2005年08月13日

二世帯住宅 理想と現実

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柳さん夫婦(仮名、ともに64歳)は昨年、念願の二世帯住宅を建てて、長男夫婦と同居した。家の名義は父親と息子の共有である。これで老後の不安から解放されるはずだったが、現実は違った。

最初、長男から、「妻をいじめないでくれ」と言われた時は、何のことかわからなかった。長男の妻に、「たまには風呂の掃除、お願いね」と言ったのが悪かったようである。それ以外にも息子はいろいろ言うが、柳さん夫婦には思い当たらないことばかりだ。
息子はついに、「家を出たい」と言い出した。家を出て、この家の2000万円のローンをどうするつもりか。ローンを払いながら新しいアパート代を払えるのか。息子も悩んでいるようで、毎朝、暗い顔をして出勤する。
柳さんは退職金を建築費に充てたのでローンはないが、年金生活で息子のローンを払うゆとりはない。息子の持ち分を買い取れば、預金は消えてしまう。これから何かあった時、蓄えがないのはどうにも不安だ。
柳さんは、あんなに親孝行で優しかった息子が憎々しげな目を向けるのを見て、腹が立つよりもかわいそうになった。息子が幸せになるなら、お金を出そうか……と、悩みは尽きない。
二世帯住宅に建て替えると、土地は親の名義だが、建物は子供名義か親子の共有とすることが多い。しかし、親子関係がうまくいかなくなった時、簡単に売って分けるわけにはいかない。
二世帯住宅はうまくいけば、にぎやかで楽しい。だが、うまくいかない事例が少なくないのも事実だ。万一、うまくいかなかった時のこともよく考えてから、踏み切ることが肝心だ。

posted by iezukuri : 2005年08月13日 14:34 | trackback (0)

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