住宅情報・ニュース
2005年10月18日

スケルトンインフィル マンション

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SIマンションという「眠り姫」、ダイアパレス飛鳥山

SI(スケルトンインフィル)マンションとは、建物のスケルトン(柱、梁、壁、床などの構造躯体)とインフィル(住戸のプラン、内装、設備)を、分離した形で作るマンションだ。建物が長持ちする、間取りを大胆に変更できる、設備のメンテナンスが簡単などの特徴がある。

世間でよくいわれている「100年マンション」「永住型マンション」は基本的にはスケルトンインフィルマンションになる。また、「オーダーメード(自由設計)マンション」の多くも、スケルトンインフィルマンションをベースにする。
国もスケルトンインフィルマンションの普及に本腰を入れて取り組んできた。国土交通省は1997年度から2001年度まで、「長期耐用都市型集合住宅の建設・再生技術の開発」(通称、マンション総プロ)を通じて、全面的に後押しした。
スケルトンインフィルマンションの「弱点」は、スケルトンインフィルという言い方が分かりにくいためなのか、ユーザーに特徴を理解してもらうのがむずかしいこと。すなわち、マンションを供給する側がいくら力を入れて作っても、ユーザーにその良さが伝わりにくい面がある。同じような悩みを抱えているのが「立体プラン」住戸だ。「立体プラン」とは、吹き抜け、1.5層、メゾネット、ロフトなど立体的な手法を駆使した空間のこと。図面、模型、モデルルームだけではユーザーに理解してもらいにくいので分譲に苦労することが多いが、建物が完成するとユーザーがその良さを実感できるために、一転して売れ行きが好調になる例が少なくない。
それに対して、スケルトンインフィルマンションの場合には、建物が完成してもなお、ユーザーに良さを感じてもらうことがむずかしい「ハンディ」がある。なぜなら、スケルトンインフィルマンションが真価を発揮する場面は、建物が完成してから10年以上経ち、間取りを変更したり、大規模な修繕工事を実施する必要に迫られたときであるからだ。
現在、大騒動になっているアスベスト問題は、専門家の間ではずい分前から、「静かな時限爆弾」と言われ続けてきた。その対比で言うなら、スケルトンインフィルマンションは、旅の王子がいつか訪れてくれることを信じて待つ、「眠り姫」のようなものだ。
デベロッパーのダイア建設が東京都北区に建設中の「ダイアパレス飛鳥山」は、究極のSIマンションと呼んでいい物件だ。設計・監理をエンドウ・アソシエイツ、施工を青木あすなろ建設が担当して、2006年3月に完成の予定。

posted by iezukuri : 2005年10月18日 22:47 | trackback (0)

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