住宅取得資金贈与の非課税特例とは|2026年12月まで|非課税限度額と要件を解説

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父母や祖父母(直系尊属)から住宅取得等資金の贈与を受けた場合、一定の要件を満たせば贈与税が非課税になる制度があります。この記事では、国税庁「No.4508 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税」の情報をもとに、非課税限度額・主な要件・適用期限をまとめました。この制度には適用期限があり、2026年9月時点で令和8(2026)年12月31日までの贈与が対象です。期限間近の制度のため、内容は必ず国税庁の最新情報や税理士に確認してください。

住宅取得資金贈与の非課税特例とは

正式名称は「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税」です。父母・祖父母などの直系尊属から、自分が住むための住宅の新築・取得・増改築等の資金として贈与を受けた場合、一定額まで贈与税がかからない制度です。本来、個人から財産の贈与を受けると贈与税がかかりますが、この特例を使うことで、要件を満たす範囲内であれば非課税で資金援助を受けられます。

非課税限度額

住宅の区分 非課税限度額
省エネ等住宅 1,000万円まで
その他の住宅 500万円まで

「省エネ等住宅」とは、断熱等性能等級や一次エネルギー消費量等級など、一定の省エネ基準・耐震基準・バリアフリー基準のいずれかを満たす住宅です。省エネ等住宅に該当するかどうかは、証明書類(住宅性能証明書等)の取得が必要になるため、新築・購入を依頼するハウスメーカーや工務店に、この特例の利用を前提に相談しておくとよいでしょう。

適用期間

この特例の対象となるのは、令和6(2024)年1月1日から令和8(2026)年12月31日までの間に贈与を受けた場合です。過去にも複数回延長されてきた制度ですが、2026年12月31日以降も延長されるかどうかは、本記事執筆時点(2026年9月)では公表されていません。適用を検討している場合は、贈与の実行前に必ず国税庁や税理士に最新の制度内容を確認することを強くおすすめします。

主な要件

  • 受贈者の年齢:贈与を受けた年の1月1日において18歳以上であること。
  • 受贈者の所得:贈与を受けた年の合計所得金額が2,000万円以下であること。ただし、取得する住宅の床面積が40㎡以上50㎡未満の場合は、1,000万円以下であることが必要です。
  • 贈与者との関係:父母・祖父母など直系尊属からの贈与であること。配偶者の父母(義理の親)からの贈与は対象外とされています。
  • 資金の使途:住宅の新築・取得または増改築等の対価に、贈与を受けた翌年3月15日までに全額を充てて、その家屋に居住すること(または居住することが確実であると見込まれること)。
  • 住宅の床面積:登記簿上の床面積が40㎡以上240㎡以下で、その2分の1以上を受贈者の居住用に使うこと(40㎡以上50㎡未満の場合は、上記のとおり合計所得金額1,000万円以下が条件)。

要件は細かく定められており、書類の準備なども必要になるため、この記事では概要の紹介にとどめます。正確な要件の該当可否は、税理士または国税庁に確認することをおすすめします。

他の制度との併用

この非課税特例は、次の制度と併せて利用できます。なお、同じ贈与者からの贈与について、暦年課税(下記の基礎控除)と相続時精算課税制度は、どちらか一方を選択して適用します(両方を同時には使えません)。

  • 暦年贈与の基礎控除(110万円):贈与税には年間110万円までの基礎控除があり、この特例の非課税枠とは別に、110万円までの贈与を贈与税がかからない範囲で受けられます。ただし、暦年課税による通常の贈与は、贈与者が亡くなったときに、相続開始前の一定期間(令和6年以降の贈与は原則として最長7年。経過措置により当面は段階的に延長)に受けた分が相続財産に加算される場合があります。この非課税特例の対象とした住宅取得等資金は加算の対象外ですが、110万円の基礎控除を使った通常の贈与部分は加算されることがあるため、具体的な取り扱いは税理士に確認してください。
  • 相続時精算課税制度:一定の要件のもとで、累計2,500万円までの贈与について贈与時には贈与税がかからず、贈与者が亡くなったときに、その贈与分を相続財産に加算して相続税で精算する制度です(非課税ではなく、課税の繰り延べにあたります)。この特例と併用すると、贈与時に贈与税がかからない資金援助の枠を広げられる場合があります。ただし、いったん相続時精算課税制度を選ぶと、その贈与者からの贈与についてはその後の年も暦年課税に戻せず、少額の贈与でも申告が必要になるなどのルールがあります。選択の可否は必ず税理士に相談してください。

住宅ローンの資金計画への影響

この特例を使って贈与を受けた資金を頭金に充てると、住宅ローンの借入額を抑えられます。借入額が減れば、金利タイプ返済方法を問わず総支払利息の軽減につながりやすいほか、借入額に応じて金額が変わる保証料の負担軽減にもつながります。夫婦で収入合算・ペアローンを検討している場合も、贈与資金を組み合わせることで借入総額を抑えられるケースがあります。住宅取得の資金計画を立てる際は、贈与を受けられる金額の見込みを早めに確認し、自己資金・贈与資金・住宅ローンの借入額の配分を検討しておくとよいでしょう。

申告手続き

この特例の適用を受けるには、贈与税がかからない場合であっても、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までの間に、贈与税の申告書を提出する必要があります。申告書には、戸籍謄本や住宅の売買契約書の写しなど、一定の添付書類が必要です。「非課税だから申告不要」ではない点に注意してください。

よくある質問

Q. 配偶者の親からの贈与も対象になりますか?

A. この特例は「直系尊属」からの贈与が対象のため、配偶者の父母・祖父母(義理の親・義理の祖父母)からの贈与は、原則として対象外です。

Q. 非課税限度額を超えて贈与を受けた場合はどうなりますか?

A. 非課税限度額を超える部分については、通常の贈与税が課税されます。ただし、前述の暦年贈与の基礎控除(110万円)や相続時精算課税制度と組み合わせることで、超えた部分の税負担を抑えられる場合があります。具体的な税額の試算は、税理士に相談することをおすすめします。

Q. この特例は今後も延長されますか?

A. 本記事執筆時点(2026年9月)では、令和8(2026)年12月31日までの贈与が対象とされており、それ以降の延長については公表されていません。過去の税制改正で複数回延長されてきた経緯はありますが、将来の延長の有無を本記事で断定することはできません。最新情報は国税庁の公式サイトで確認してください。

Q. 住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)と併用できますか?

A. 一般的に、この贈与税の非課税特例と住宅ローン控除は、それぞれ別の制度として併用可能とされています。ただし、住宅ローン控除は借入金の年末残高をもとに計算されるため、贈与資金を頭金に充てて借入額を減らすと、住宅ローン控除の対象となる残高自体が小さくなる点には留意が必要です。どちらの制度を優先すべきかは個々の状況によって異なるため、税理士に相談することをおすすめします。

Q. 贈与を受けるタイミングに決まりはありますか?

A. この特例は、贈与を受けた年の翌年3月15日までに、住宅の取得資金として全額を充て、その住宅に居住する(または居住が確実に見込まれる)ことが要件です。そのため、住宅の引き渡し・入居の時期と、贈与を受ける時期を合わせておく必要があります。特に、住宅の取得が翌年3月15日に間に合わない時期に贈与を受けると要件を満たせなくなるおそれがあるため、贈与の時期はハウスメーカーや税理士と相談しながら決めることをおすすめします。

Q. 投資用・賃貸用の住宅にもこの特例は使えますか?

A. 使えません。この特例は、贈与を受けた人自身が居住するための住宅取得資金が対象です。投資用マンションや、他人に貸すための賃貸用住宅の取得資金には適用されません。

※本記事は2026年9月時点で確認できた国税庁の情報をもとに、住宅取得資金贈与の非課税特例の概要を紹介するものです。税制は改正されることがあるため、実際の適用にあたっては、必ず国税庁の最新情報を確認するか、税理士にご相談ください。本記事は個別の税務相談への回答を目的としたものではなく、税理士等の専門家による監修は受けていません。

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