住宅ローンの借り換えの基礎|メリット・デメリットと諸費用、流れを解説

住宅ローンの借り換えを表すアイキャッチ画像。家・切り替えを示す矢印・銀行のアイコンと電卓 住宅ローン・お金

住宅ローンの借り換えとは、現在返済中の住宅ローンを、別の金融機関の住宅ローンに乗り換えることです。金利が下がれば総支払額を減らせる可能性がある一方、借り換えには諸費用がかかるため、必ずしも誰にとっても得になるとは限りません。この記事では、借り換えの仕組み・メリットとデメリット・向いているケース・諸費用・手続きの流れまで、基礎から解説します。

住宅ローンの借り換えとは

借り換えは、新たに住宅ローンを組んで、その資金で現在のローンを一括返済する仕組みです。手続きとしては「新規の住宅ローン契約」を結ぶことになるため、新たな金融機関での審査が必要になります。借り換え先の金利タイプ(変動金利・固定金利)や返済方法も、借り換えのタイミングで選び直すことができます。

借り換えのメリット

  • 金利が下がれば総支払額を減らせる可能性がある:借入時より低い金利の住宅ローンに借り換えられれば、残りの返済期間で支払う利息を減らせる可能性があります。
  • 金利タイプを見直せる:契約当初は変動金利型を選んでいたが、将来の返済額を確定させたくなった場合など、金利タイプ自体を変更する機会にもなります。
  • 団体信用生命保険の内容を見直せる場合がある:借り換え先によっては、がん保障特約付きなど、契約時とは異なる団信の内容を選べることがあります。

借り換えの注意点・デメリット

  • 諸費用がかかる:借り換えには、事務手数料・保証料・登記費用(抵当権抹消・設定費用)・印紙税など、新規契約時と同様の諸費用がかかります。金利差による軽減効果が、諸費用を上回らなければ、借り換えても総支払額は減りません。
  • 審査に通るとは限らない:借り換えも新規のローン審査と同様に、年収・勤続年数・健康状態(団信の審査)などの審査があります。借入時より収入や健康状態が変化している場合、審査に通らない可能性もあります。
  • 手続きに手間がかかる:新しい金融機関との契約手続きに加え、既存の抵当権を抹消する手続きなど、一定の手間と時間がかかります。

借り換えに向いているケース

一般的に、次のような条件がそろっている場合、借り換えの効果が出やすいとされています。

  • 借入時と比べて、借り換え先の金利が十分に低いこと
  • 残りの返済期間が長いこと(残期間が短いと、利息軽減効果が諸費用を下回りやすい)
  • 住宅ローンの残高が多いこと(残高が少ないと、軽減できる利息の絶対額も小さくなりやすい)

ただし、これらはあくまで一般的な傾向であり、実際に借り換えるべきかどうかは、諸費用まで含めたシミュレーションをしたうえで判断する必要があります。

借り換えの目安として語られる基準

住宅情報メディアやFP(ファイナンシャルプランナー)の解説では、借り換え効果が出やすい目安として、次のような基準が紹介されることがあります。

  • 借入時と借り換え先の金利差が1%程度以上あること
  • 住宅ローンの残高が1,000万円程度以上あること
  • 残りの返済期間が10年程度以上あること

これらは「金利差1%以上・残高1,000万円以上・残期間10年以上」の3つをまとめて、借り換えを検討する際の大まかな目安として語られることがあります。ただし俗に言われる基準にすぎず、諸費用の金額や個々の借入条件によって実際の損益分岐点は変わります。この基準を満たしていなくても得になるケースもあれば、満たしていても諸費用次第で損になるケースもあるため、必ず個別のシミュレーションで確認することが重要です。

借り換えでかかる諸費用

費用項目 内容
事務手数料 借り換え先の金融機関に支払う手数料。定額型・定率型がある
保証料 借り換え先で保証会社を利用する場合にかかる費用。外枠・内枠方式がある
抵当権抹消費用 現在のローンの抵当権を抹消するための登録免許税・司法書士報酬
抵当権設定費用 借り換え先で新たに抵当権を設定するための登録免許税・司法書士報酬
印紙税 新しい金銭消費貸借契約書に貼付する印紙代

なお、現在の住宅ローンを一括返済する際に、金融機関によっては「繰上返済手数料」がかかる場合もあります。借り換え前に、現在契約している金融機関にも確認しておくとよいでしょう。

借り換えの流れ

住宅ローン借り換えの流れ。①比較・検討→②事前審査→③本審査・契約→④資金実行の4ステップ
借り換えの一般的な流れ(4ステップ)。実際の手続きは金融機関により異なります。
  1. 借り換え先の比較・検討:複数の金融機関で金利・諸費用を比較し、借り換え候補を絞ります。
  2. 事前審査の申し込み:借り換え候補の金融機関に事前審査を申し込みます。複数の金融機関に同時に申し込むことも可能ですが、申し込みの記録は信用情報に一定期間残るため、候補をある程度絞ってから申し込むとよいでしょう。
  3. 本審査・契約:事前審査に通過したら、必要書類を提出して本審査を受けます。審査に通れば、金銭消費貸借契約を結びます。
  4. 資金実行・一括返済:借り換え先から融資が実行され、そのお金で現在のローンを一括返済します。同時に、現在の抵当権抹消と新しい抵当権設定の手続きが行われます。

借り換えを検討する際のポイント

  • 諸費用込みの総支払額で比較する:金利差だけでなく、諸費用を含めた総支払額で比較することが欠かせません。
  • 複数のシミュレーションを取る:多くの金融機関や比較サイトが、諸費用込みでのシミュレーションを提供しています。複数取り比べることで、実際にどれだけ総支払額が変わるのかを確認できます。
  • 借り換え先のタイプも比較する:メガバンク・ネット銀行・フラット35など、借り換え先の種類によって金利水準や審査の特徴が異なります。現在の借入先にこだわらず幅広く比較するとよいでしょう。
  • 専門家に相談する:借り換えは大きな金額が動く手続きです。この記事の内容はあくまで一般的な仕組みの解説として捉え、具体的な判断は金融機関やファイナンシャルプランナーなど専門家に相談することを強くおすすめします。

よくある質問

Q. 借り換えは何回でもできますか?

A. 回数に制限はなく、条件が合えば複数回借り換えることも可能です。ただし、借り換えのたびに諸費用がかかるため、頻繁に借り換えると、かえって総支払額が増えてしまうこともあります。

Q. 借り換えにはどれくらいの期間がかかりますか?

A. 事前審査から資金実行まで、一般的に1〜2ヶ月程度かかることが多いとされていますが、金融機関や審査状況によって異なります。余裕を持ったスケジュールで進めることをおすすめします。

Q. 借り換えで審査落ちしやすいのはどんな場合ですか?

A. 借入時と比べて年収が大きく減っている場合や、他の借入(カードローン等)が増えている場合、健康状態が変化して団体信用生命保険の審査に通りにくい場合などが挙げられます。ただし、具体的な審査基準は金融機関ごとに異なり、公表されていません。

Q. 借り換えのタイミングに決まりはありますか?

A. 決まったタイミングはありません。金利情勢や自身の家計状況、残りの返済期間・残高などを踏まえて、諸費用を含めたシミュレーション結果をもとに判断することになります。金利の将来動向について、本記事で断定的な予測をすることはできません。

Q. ペアローンや収入合算で借りている場合も借り換えできますか?

A. 可能ですが、借入形態によって進め方が変わります。ペアローン(夫婦などがそれぞれローンを組む形態)では、原則として2本のローンをまとめて借り換えることになり、借り換え先が同じ組み方に対応しているかの確認が必要です。収入合算(ローンは1本で、もう一方が連帯保証人・連帯債務者になる形態)でも、借り換え先が同じ合算方法に対応しているか、連帯保証型・連帯債務型の扱いがどう変わるかを確認する必要があります。いずれも金融機関によって対応状況が異なるため、事前に借り換え先へ相談することをおすすめします。

※本記事は住宅ローンの借り換えに関する一般的な仕組みを紹介するものであり、特定の金融商品を推奨するものではありません。実際の借り換えにあたっては、金融機関の最新情報を確認し、ファイナンシャルプランナー等の専門家にご相談ください。

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